『愛と死をみつめて』主演:吉永小百合、浜田光夫 公開:1964年9月 配給:日活
『愛と死をみつめて』 主題歌:吉永小百合「愛と死のテーマ」
公開:1964年9月19日 配給:日活
大学生河野 實(こうの まこと=マコ)と、軟骨肉腫に冒され21年の生涯を閉じた大島みち子(おおしま みちこ=ミコ)との、3年間に及ぶ文通を書籍化した書簡集である。
難病で死に別れる恋人をテーマにした純愛映画としては、アカデミー作曲賞、ゴールデングローブ賞を受賞した1970年公開のアメリカ映画『ある愛の詩』が有名であるが、それより6年先駆けて公開されている。
出演者
吉永小百合、浜田光夫、内藤武敏、初井言栄、笠智衆、北林谷栄、笠置シヅ子
ストーリー
高野誠が小島道子に会ったのは、誠が浪人中、阪大病院に入院したときであった。
知的な美しい瞳と、清純な顔は、その日から誠の心の中に好感をもってむかえられた。
一見健康そうにみえた道子は、誠が東京の大学に入って二年目に再会したときも、病院生活を送っていた。
二人の文通は続けられた。
入院生活を続ける道子の不安は、誠の手紙によって力づけられていた。
高校をどうにか卒業した道子は、希望の大学に入学したが、軟骨肉腫の再発で四度目の入院をした。
アルバイトで大阪に来た誠は、病院を訪れては、信州の山々の美しさや、野球の話に楽しい時間を過した。
道子も、不安を抱きながらも、強いて明朗にふるまっていた。九月になって、誠は東京に帰ったが、道子は主治医のすすめで、大学を退学すると本格的な、闘病生活に入った。
日本には、まだデータのない不治の病と聞かされた道子は、誠に別れの手紙を出すと、淋しく、病室に横たわった。
しかしミコは手術で顔の半分を失い、さらに病気は悪化していく。
そして、マコの22歳の誕生日の前日に……….。