東京五輪・パラリンピックの開閉会式の企画、演出で全体の統括役を務めるクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)が、式典に出演予定だったタレントの渡辺直美さんの容姿を侮辱するような内容の演出を関係者に提案していたと「文春オンライン」が17日報じた。関係者によると、大会組織委員会の橋本聖子会長が国際オリンピック委員会(IOC)幹部と緊急会談し、対応を協議した。佐々木氏は退任する見通しとなった。

【写真】「侮辱演出」で辞意を表明した佐々木氏

 組織委は同日、報道陣の取材に「事実とすれば不適切で遺憾」と表明。佐々木氏ら関係者に事実確認し、18日にも橋本聖子会長が改めて取材対応するという。

 文春によると、佐々木氏は昨年3月、五輪開会式の演出メンバーに送信したLINEで、渡辺さんにブタの仮装をさせ、「オリンピッグ」として登場させるアイデアを披露した。しかし、メンバーから批判が相次ぎ、撤回に至ったという。組織委では2月、森喜朗前会長が女性蔑視と受け取れる発言で引責辞任している。

 開閉会式の制作は狂言師の野村萬斎氏を総合統括とし、パラ担当統括の佐々木氏を含む7人のチームが昨年12月に解散。新型コロナウイルス禍による大会延期で演出の大幅な見直しが必要となり、より迅速に準備を進めるためとして、佐々木氏を統括役とする新体制に移行していた。