劇作家・清水邦夫氏の『血の婚礼』から1篇のシーンを見つけました。
男は語ります。
「世界のあらゆる輪舞の中へ入っていき、踊り、ざわめき、歌いながらも、愛する遠方にきっちり目をむけている…それが旅する術だ」
「血の婚礼」の舞台は路地の闇。世の中の先行きに対する闇、演劇界の先行きに対する闇。
闇が重なりあう現代。演劇界だけでなく、全ての人々が、「愛する遠方にきっちり目をむけ」続け、「旅する術」を忘れずにいまを越えていけますように。
祈りとともに、「エール」を捧げます。

喪服の男:池田努
高校生:増本尚

音楽:クラシック名曲サウンドライブラリー( )より

unrato
演劇ユニット「unrato」は、ミュージカル『I DO! I DO!』や『THE LAST FLAPPER』を創作した演出の大河内直子、プロデューサーの田窪桜子により2017年に結成。旗揚げ公演『BLOODY POETRY』、『受取人不明 ADDRESS UNKNOWN』など日本初演の翻訳作品のほかプロデュース公演として『LULU』などを上演しています。2020年は『冬の時代』(東京芸術劇場シアターウエスト)が新型コロナウイルスの影響で公演途中で中止となりました。