
10月30日、トヨタ自動車が発表した2024年度上期(4─9月期)のトヨタ単体(レクサス車を含む)の世界販売は前年同期比2.8%減の502万8830台、世界生産は同7.0%減の470万5037台だった。東京都内で2019年撮影(2024年 ロイター/Soe Zeya Tun)
同社は24年度に、トヨタ単体での世界販売(小売ベース)で1040万台、世界生産で1000万台を計画している。前年度実績は世界販売・世界生産ともに過去最高だったため水準が高い。今後挽回して前年度の下期と同規模を確保できたとしても、計画に対して世界販売は約23万台、世界生産は約38万台それぞれ下回る。
上期の販売と生産は、国内が2年ぶり、海外が4年ぶりにそれぞれ前年を下回った。国内販売は9.3%減の71万6588台。リコールしたハイブリッド車「プリウス」の4月初めから6月初めにかけての生産停止、認証不正の対象だった「ヤリスクロス」など3車種の6月初旬から9月初旬にかけての生産停止が響いた。
海外販売は1.6%減の431万2242台。競争が激化している中国は13.7%減だった。中国勢による電気自動車(EV)など新エネルギー車の需要が高まる一方、トヨタはガソリン車を中心に販売が振るわなかった。
国内生産は9.4%減の153万3526台、海外生産は5.8%減の317万1511台だった。
一方、ハイブリッド車(HV)やEVなどの電動車販売は22.2%増の223万1342台と過去最高となり、上期販売の約44%を占めた。特に北米でHVが4割以上伸びた。
<9月の世界販売・世界生産も前年割れ>
併せて発表した9月の実績は、トヨタ単体での世界販売が前年同月比7.4%減の85万3149台、世界生産は同8.3%減の82万6556台だった。世界販売は4カ月連続、世界生産は8カ月連続でそれぞれ前年を割り込んだ。
各地域の販売は、北米が18.1%減。販売店の営業日が昨年より3日少なかったほか、9月末のハリケーンの影響があった。エアバッグの性能問題でリコールを実施したスポーツ用多目的車(SUV)の「グランドハイランダー」や「レクサス・TX」の生産停止も響いた。同2車種は10月21日から生産を再開したため、今後は影響が軽減される見通し。
競争が激しい中国は9.2%減、日本は6.3%減だった。日本では認証不正対象3車種の生産が9月4日午後から再開されたが、台風10号の影響などが一部であった。
グループ全体での世界販売は8.0%減の92万3311台、世界生産は8.5%減の94万9583台で、いずれも2カ月連続で前年を割り込んだ。
白木真紀 編集:田中志保
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