聖子ちゃんが語る大村雅朗さんとの制作エピソード 松田聖子 Special 完全版「風に向かって歌い続けた40年 2020年12月28日放送分より
SWEET MEMORIES制作エピソード
それまで聖子ちゃんの楽曲の編曲を数多く担当しており、アルバム曲の書き下ろしも担当していた大村雅朗さんが、シングルの作曲に初めて起用された。
発売当初からファンの間では名曲と評価が高かったが、サントリーCANビールのCMソングになったことで評判となり(後述)、急遽両A面として同年10月に再発売するに至った。元々B面であったにも関わらず非常に人気の高い曲となり、聖子ちゃん自身も好きな曲として挙げる事が多く、コンサートやディナーショーのセットリストに組まれる事の多い一曲である。また、カバーの定番として数多くのアーティストがカバーを行っている。
作曲の大村さんはサビのメロディーが浮かんだ以降作業が滞ってしまったが、その様子を察したプロデューサーの若松宗雄さんが一緒にスタジオにこもり、そこから約1時間で完成させた。作詞の松本隆さんは初めてデモテープを聴いた時に「完全にジャズだった」とコメントしている(FBS開局50周年記念特番「風の譜~福岡が生んだ伝説の編曲家大村雅朗」より)。
松本さんは後年、「聖子さんの歌を作る時は、その時点の彼女のキャパ(力量)の2-3歩先を行く歌を作る。ほとんどの歌い手はそれに対応できないが、彼女は見事に付いてくる。そして、『SWEET MEMORIES』に関しては10歩くらい先を行っており、作曲の大村と『今回は付いて来られないかな? 難しすぎたかな?』とも話したが、彼女は見事に歌い上げた」と賞賛した。
イントロは松武秀樹さんがシンセサイザーで創ったものである。松武さんによると、大村さんから「口では表現できない、雪がシャーっという感じで、聴いてて気持ちいい音にしてくれ」と依頼され、「逆回転の音みたいなヒヤっとする冬」をイメージしたイントロを創作したとのことである。
2番の前半部分は聖子ちゃんの楽曲で初めての英語詞であった。聖子ちゃんは最初に楽曲を受け取った時、「こんな大人っぽい歌を私が歌うんですか」と驚いたという。また、レコーディングはCMスポンサーであるサントリーはじめ多くの関係者が見守る中行われ、「緊張した」と語っている。
セイシェルの夕陽の制作エピソード
セイシェルの夕陽を収録中にプロデューサーから、「そんな歌い方では歌詞に出てくる土地の雰囲気が出ていない」とダメ出しされた事を明かした。その時、聖子ちゃんはプロデューサーの意図をすぐには理解できず、そんな自分が悔しかったという。この時の苦労は今でもトークで語られいる。そして大村さんに気分転換で黄色のワーゲンでマクドナルドまで連れて行ってもらった話をこの番組で告白。それだけ聖子ちゃんにとって大村さんは心の支えであったの間違いない。
大村さんに対してのお気持ちが、このトークでもよく伝わって来ますよね。
少し恋心もあったと思います。
青い珊瑚礁から一緒にお仕事をし、歳も近く、一番頼りがいがあり、いろいろ相談も出来たと思いますね。もし、大村さんが今でもご存命なら今でもたくさんの名曲が生まれていたはず。
残念です。
