1都3県の緊急事態宣言の解除まであとわずかとなりましたが、最も影響を受けてきた飲食店から聞こえてくるのは、必ずしも喜びの声だけではありません。

 桜の名所として有名な東京・目黒川。川沿いのこの居酒屋では午後8時までの時短営業を続けていますが、緊急事態宣言中は客が大幅に減りました。2年前には連日予約でいっぱいだった「花見プラン」も、今年の予約数はゼロ。宴会客でにぎわっていた2階席も、今はガラガラです。

 「今年、まったく予約もないし、お客様もあまり入らないし、今年は本当に厳しいですね」(大樽 中野マチ子さん)

 飲食店への時短営業の要請が午後8時から9時に変更されて、客足が戻ることに期待しています。

 「いままでは飲んでる時間が無かったんで、少しは良くなると思います」(客)
 「せっかくの目の前の桜だし、本当に来てほしいと思っています」(大樽 中野マチ子さん)

 一方で、宣言が解除されても閉め続ける決断をした店もあります。東京・立川にある居酒屋。新鮮な海鮮丼が仕事帰りの会社員に人気の店です。年明け、緊急事態宣言が出たことで客足が激減。家賃や食材の廃棄による赤字に耐え切れず、1月末から休業していました。

 「マグロを切って用意しておく。(客が)来なくても。安いもんじゃないんで、マグロ使ったら明日使わないと捨てちゃうか、あげちゃうかって言ったら、お客さんに振る舞って大きくして出しちゃうんで、損どころじゃなくてボランティアみたいな」(立川海鮮丼モンロー 高橋セイム店長)

 宣言解除で巻き返しを・・・と思いきや、週明け以降も店は閉め続けるといいます。
 「今までの8時から1時間延びても、正直言って、お客さんが飲んだり食ったりする時間がない」(立川海鮮丼モンロー 高橋セイム店長)

 都心から距離のある立川では、閉店時間が午後9時に延長になっても客の戻りが期待できないというのです。
 「年配の人なんかは、『ワクチン接種してからじゃないと行かないから』。そういうふうに言われちゃうと、なかなか夜の(売り上げに)期待っていうのがないです」(立川海鮮丼モンロー 高橋セイム店長)

 我慢を強いられてきた飲食店。宣言解除後も不安な日々が続きます。(19日15:57)