能登半島地震から3カ月。津波で自宅を失った29歳の女性が苦難にも負けず、新たな一歩を踏み出す姿を追いました。

山田さん(仮名)
「めっちゃ海きれいじゃないですか?きれいなのに、その波が上にガーって全部飲み込んでいったのかなと思います」

 石川県能登町に自宅を片付けている女性がいました。山田さんは帰省中に津波に家が飲まれました。発災から2カ月以上経っても片付けを思うように進められない訳があります。

山田さん(仮名)
「国家試験があって、勉強道具とかを全部実家に持ち帰ってきていたんですが、全部津波で流れちゃって」

 2月に理学療法士の国家試験を控えていたさなかで被災をしました。そんな山田さんに手を差し伸べた人がいます。

 女性向けに開設された休憩所を作ったのは「ねがみみらいクリニック」の根上昌子院長。山田さんが子どものころからの付き合いだといいます。

 根上さんは休憩所の中に自習スペースも設けました。

「ねがみみらいクリニック」院長 根上昌子さん 
「今頑張らなきゃいけない若い人たちが、頑張れる場所が少しでもあればいいのかなと思って」

 支えてくれる家族や周りの人のためにも…勉強を続け、国家試験を終えました。

 そして迎えた合格発表の日。

山田さん(仮名)
「無事、合格しました」

「ねがみみらいクリニック」院長 根上昌子さん 
「良かったね。えらかったね。よく頑張った」

 涙を流した日から3カ月。新たな一歩を踏み出しました。

山田さん(仮名)
「今回受けたことを恩返しできるような理学療法士になって、一人でも困っている人をすぐに助けられるような理学療法士になっていきたい」
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