20日、十勝の池田町出身の西條奈加さんの時代小説「心淋し川」が直木賞に選ばれました。記者会見で「出身地の十勝に非常に愛着がある」と語った西條さん。地元では21日も喜びに包まれました。
【帯広の書店に西條さんコーナー】
帯広市にある喜久屋書店帯広店では、西條奈加さんの作品を集めた臨時の特設コーナーを21日、急きょ設けました。
受賞作の「心淋し川」は、20日の直木賞の発表直後に購入する人が相次ぎ、すぐに売り切れたということで、コーナーには並べることができなかったということです。
書店には21日も、受賞作を購入しようとおよそ60キロ離れた大樹町から訪れた男性もいて、「十勝の人の受賞はうれしいです。きょうは売り切れでがっかりしましたが、また買いに来たいです」と話していました。
書店では現在、出版社に発注しているということですが、入荷は今月下旬ごろになるということで、入荷後に改めて本格的な特設コーナーを展開したいということです。
担当者の礒野あかねさんは、「きのうは2〜3時間ほどで売り切れてしまいました。作品の中でも十勝を感じることができるので多くの人に読んでほしいです」と話していました。
【池田町がワイン贈る】
直木賞の受賞が決まった西條奈加さんの出身地、十勝の池田町は、受賞を祝福しようと町特産のワインを西條さんに贈りました。
池田町出身の西條さんの受賞決定に地元では喜びが広がっていて、町は受賞を祝福しようと特産のワインを贈ることを決め、お祝いのメッセージとともに21日、西條さんの自宅に発送しました。
贈られたのは、1.5リットルのマグナムボトルのスパークリングワインと町内で生産されたぶどう「山幸」を原料にした最高級の赤ワインの合わせて2本です。
また、役場庁舎の1階には受賞を祝う横断幕も掲げられました。
池田町の安井美裕町長は帯広三条高校で西條さんと同じ学年だったということで、「面識はありませんが同じ学びやで過ごした人が受賞したことに縁を感じています。暗い話題が多い中で笑顔と勇気をもらいました」と話していました。
また、受賞作の「心淋し川」については、「江戸のそれぞれの人の生活がとても心に染みる話でした」と感想を話していました。
安井町長は西條さんに贈ったワインについて、「スパークリングワインはお祝いの席で皆さんと飲んでほしいし、赤ワインは5年10年とさらに熟成させて楽しんでほしい」と話していました。
【札幌の書店では】
札幌市豊平区にある書店「コーチャンフォーミュンヘン大橋店」では、今回の直木賞を含めて、道出身の作家の作品や道が舞台となった小説が立て続けに受賞していることから、特別に設けたコーナーでアピールしています。
コーナーでは、▼今回、選ばれた西條奈加さんの「心淋し川」をはじめ、▼前回、受賞した日高の浦河町出身の馳星周さんの「少年と犬」、▼さらにアイヌを題材にした前々回の受賞作「熱源」が並べられています。
また、映画化されて話題になった8年前の直木賞受賞作「ホテルローヤル」など、釧路市出身の桜木紫乃さんの作品などもそろえられていて、札幌市に住む50代の女性は「道にゆかりのある作品が受賞するのはうれしい。手に取って読んでみたいと思いました」と話していました。
書店によりますと、このコーナーは去年、馳星周さんの受賞をきっかけに道出身の他の作家の作品や道が舞台となった小説などを手にとってもらおうと設けたということで、林隆治マネージャーは「これまでも道の作家や、道が舞台の面白い作品はあったが、3作続くのは初めてだ。1つだけなら埋もれてしまうものもたくさん出ているのでアピールできるし、誇らしくも思う。とにかくうれしいというのがいま一番感じている気持ちです」と話していました。
