スリーピースバンド羊文学が21日に「LEGACY TAIPEI」で、初の海外単独ライブを行った。平日開催にもかかわらず、現地ファンで約1200席が約3分で売り切れた。このほど現地で取材に応じ「日本中、世界中で活躍していきたいです!」と意気込んだ。
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現地時間午後8時。気温が30度を超える蒸し暑い中、会場には現地のファン約1200人が詰めかけ、さらに熱気を増した。メンバーが登場すると「フー!」と大歓声と拍手が。昨年、アンコールで登場した台湾の人気アーティストLUCYとのコラボ楽曲を発表し、現地での知名度、人気が爆発した。日本でもタイアップが多く、特にアニメ「平家物語」の主題歌「光るとき」は、日本語で歌えるファンも多い。
ボーカルとギターの塩塚モエカ(26)は「みんな日本語結構わかるの?日本以外の場所で初のワンマン。台北に来ることができて本当にうれしい、ありがとうね」と感謝した。そして「こんなに温かく迎え入れてくれると思わなかったので、ちょっと感動しています。ありがとう。最後まで楽しんでくださいね」と呼びかけた。激しいリズムで盛り上げるというより、優しくも力強い音楽でファンを引きつけるバンドだ。会場に来たファンは「細いけど力強いパワフルな声が好き」「歌詞も声の力もすごくあるから魅力的だと思う」と、熱弁してくれた。
チケットは約3分でソールドアウト。塩塚は「チケットを発売する時は『そんな売れないでしょ』『売れなかったらどうしよう』って思ったんですけど、すぐ売り切れたと聞いて、ビックリしました」と驚いた。ベースとコーラスの河西ゆりか(25)は、中国語で「今日は来てくれてありがとう。みなさんに会えてうれしいです。今夜は楽しんでください」とあいさつし、大歓声を浴びた。
滞在中には、夜市などで食も満喫できたという。それでもドラムのフクダヒロア(25)は「今回のライブが一番楽しかったです」と話した。初の海外ワンマンを大成功させた。塩塚は「日本以外の国でライブができるなんて、バンドを始めたころには思っていませんでした。また絶対に会えるように頑張るし、次来る時までには、みんなと同じ言葉で話せるようになっておくね!」と約束した。
ライブは約1時間40分で、人気楽曲「永遠のブルー」「光るとき」など全18曲を披露。今後については「本当に自分が必要だと思うものを作るという、最初の頃から大切にしていることを忘れないで、どんどん大きくなって、日本中、世界中で活躍していきたいです!」と意気込んだ。世界中に“羊旋風”を巻き起こす。
◆羊文学(ひつじぶんがく) 塩塚モエカ、河西ゆりか、フクダヒロアからなるスリーピースバンド。11年に塩塚が結成し、17年から現体制に。20年にメジャーデビューし、今年3月には全国のCDショップ店員が選ぶ「CDショップ大賞」で、新人の素晴らしいアルバムに贈られる大賞を受賞。「NTTドコモ」をはじめ、タイアップも多数。9月から日本で自身最大規模のツアーを行い、韓国の大型フェスにも出演予定。