アメリカのトランプ大統領は8日、病院から退院してから初となる電話でのテレビ出演を行いました。

◆テレビ朝日・ワシントン支局の布施哲支局長からの報告です。
トランプ大統領は、1時間近くにわたって生出演しました。このなかで、15日に予定されているバイデン氏との討論会が感染防止からオンライン形式になったことについて「時間の無駄だ。私は参加しない。変わりに支持者集会をする」と述べました。そして、新型コロナウイルスについても「『マスクを付けろ』と言うが、マスクをいつも付けていた人でも感染する。私のように治療すれば治る」と、またしても新型コロナを軽視するような発言をしています。こうした新型コロナ軽視をの姿勢が、支持率の低下に繋がっています。保守系のフォックスニュースが日本時間8日朝に発表した最新の調査で、先月は、バイデン氏のリードが5ポイントだったのが、10ポイントに広がっています。新型コロナを理由に、女性票や無党派層、シニア層のトランプ離れが、顕著になっています。

そして、7日の副大統領候補討論会で、ペンス副大統領は「マスクをつけない政権がどうやって国民に感染防止策を指導できるのだ」と司会者に詰め寄られると「民主党のなんでもマスクの着用を義務づけるのはおかしい。我々はアメリカ人の権利を最大限、尊重しようとしている」と苦しい反論しています。まさに、これはトランプ政権の本音で、政府の介入を嫌うような保守層、あるはコア支持層にはアピールできても、感染を不安視している無党派層やシニア層に、どこまで響いているかは非常に疑問です。トランプ大統領は「わかっているけど、変われないのか」なのか、それとも「わかっているが、変わるつもりがない」なのか。いずれにしても、新型コロナに対するトランプ政権の姿勢が、傷口を広げており、それが致命傷になる恐れが、ますます強まってきています。
[テレ朝news]