『今井の視点』です。
今週月曜、法律上の位置づけが「5類」に変更された新型コロナウイルスについて考えます。
3年余りに及んだコロナ禍。大学の教育現場がどんな影響を受けたのか、崇城大の今井さんにお聞きします。
学生にとっても多くの制約があったと思うんですが、今井さん。
【今井の視点】
大学でコロナ禍の一番の被害を受けたのは、今の4年生。
入学直後に緊急事態宣言が発出されたため、同級生と友人関係を築くこともできないまま、また、教員と対面でやりとりする機会も持てないまま、オンライン授業でパソコンの画面に向き合う日々が続いた。
このように、特異な大学生活のスタートを強いられた今の4年生の中には、人間関係形成がうまくできない人がいるのも事実。
多くは、来年3月に大学を卒業し、社会に出ることになるが、今までの新卒者とは少々異なる可能性があることを就職先の企業の皆さまにはぜひご理解いただきたい。
このように、コロナ禍は大学での教育に大きな悪影響を及ぼしたが半面、メリットももたらした。
それは、オンデマンド型授業と呼ばれるあらかじめ録画した授業動画を視聴させる形式の授業の効果に気づけたということ。
録画なので、一時停止したり巻き戻したりしながら、理解できるまで繰り返し授業を聞くことができる。
このため、少なくとも真剣に受講する気概のある学生に関しては、オンデマンド型授業のメリットは大きい。
ほとんどの大学で、本年度から本格的にコロナ前の状態に戻るが、全てを元に戻す必要はない。
「転んでも、ただでは起きぬ」ではないが、オンデマンド型が適していて、教育効果が期待できるような科目では、コロナ後もオンデマンド型を積極的に活用することで、大学教育をコロナ前よりもさらによいものにできると考えている。
