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練習曲作品10-3 (ショパン)別れの曲
練習曲作品10第3番ホ長調は、フレデリック・ショパンが作曲した独奏ピアノ曲。遅いカンタービレの練習で、右手が内声部を弾きながら、旋律の音量を維持しなければならない。日本においては、「別れの曲」の名で広く知られる。西欧においては「Tristesse」(悲しみ)の愛称で知られるが、ときにフランス語圏で「L’intimité」(親密、内密)、英語圏で「Farewell」「L’Adieu」(別れ、別離)と呼ばれることもある。
日本では『別れの曲』の愛称で広く知られるが、これは、1934年のドイツ映画の邦題『別れの曲』(当時の欧州映画は数か国語版をネイティブの俳優で同時撮影する慣習があり、日本ではなぜかフランス語版が公開された)で同曲が主題となり物語が展開していったという経緯に因む(尚、映画での演奏はエミール・フォン・ザウアー)。この映画はかつてNHKで何度か取り上げられて放映されていたが、オリジナル版(ドイツ語版)だったため、劇場で見たものと違うと抗議が殺到した。なお、フランス語版はDVD化されていないがドイツ語版はDVD化されている。
この練習曲は速度の点でショパンの他の練習曲の大部分と異なっている。ショパンの時代以前の練習曲で必要とされた技術的な妙技からの大きな変化であり、技巧よりもむしろ、旋律的なフレージングの表現力とレガートの雰囲気を引き出す事が重要である。甘い旋律ばかりが注目される曲であるが、中間部にショパンならではの激情的な部分があることを忘れてはならない。劇的要素も求められる。彼が生まれたポーランドへの愛が高い質で顕現されており、評論家にはピアノのための詩、ロマン派作品として高く評価されている。彼の弟子の一人、アドルフ・グートマン(Adolf Gutmann)とのレッスンでこの曲を教えていたとき、ショパンは「ああ、私の故国よ!」と泣き叫んだという。ショパンはまた、「一生のうち二度とこんなに美しい旋律を見つけることはできないだろう」といった。
●使われた作品など
・ショパン練習曲集ディスコグラフィー from ショパン練習曲集スペース
・男はつらいよ 私の寅さん – 終盤のマドンナが住んでいる柳家の縁側で、主人公の車寅次郎(渥美清)が、本作のマドンナである画家の柳りつ子(岸惠子)に好意を看破されるものの『友達のままでいたい』と振られてしまうシーンで、隣の家のピアノから「別れの曲」が流れており、寅次郎の悲壮感を際立たせるBGMとなっている。
・さびしんぼう (映画) – 原曲が全編にわたり使用されている。エンディングではアレンジされたものが歌付きで流れる。
・あそこの席 (映画) – 原作の段階から明記されており、主人公の演奏曲として登場する。
・101回目のプロポーズ – BGM