全国の新型コロナウイルスの重症者数が19日、1000人を超えました。また、亡くなった人は、過去最多の104人が確認されています。止まらない感染に独自に動く自治体が相次ぎました。沖縄県では、3度目となる独自の緊急事態宣言です。
玉城知事:「年末年始の忘新年会、成人式などを契機として、飲食店のみならず、親族間、事業所、保育園等でも集団感染が発生するなど、地域の別なく全世代に感染が拡大している。沖縄県独自の緊急事態宣言を発出することを決定した」
20日~2月7日まで、生活を維持するためなど、必要な場合を除き、外出をしないことなどを求めました。22日からは、沖縄県内すべての飲食店を対象に午後8時まで時短要請する方針です。さらに、国に緊急事態宣言の対象地域に加えるよう要請もしました。

静岡県知事も緊急会見を開きました。
川勝知事:「静岡県としての対応について『感染拡大緊急警報』を発令することにした」
警報発令の理由は、イギリスで流行する変異種が、静岡で見つかったためです。
川勝知事:「変異株の日本国内での感染特性は、まだ明らかではない。仮にイギリスの事例と同様に変異株の感染力が高い場合は、これまでと同じ行動では感染者数の増加が加速しかねない。また、医療提供体制の危機となりかねない」

イギリスで流行する変異種は、感染力が1.7倍強いとされています。政府は、静岡県で確認された陽性者の検体をすべて検査し、市中感染の可能性を詳しく調べる方針です。全国では、これまでに47人が変異種に感染していたことがわかっています。多くは、空港検疫で見つかっていますが、東京都や兵庫県では、濃厚接触などで感染した人もいます。東京都では、独自に変異種を調べるための遺伝子解析を行っています。静岡で、見つかった変異種も、こうした検査が、きっかけとなりました。どこで調べられたのかは、明らかになっていませんが、ある人物の変異種の疑いがわかり、その後、濃厚接触者をたどって2人から変異種を検出。さらに、同じ保健所の陽性者を調べたら、60代の男性も変異種に感染していたことがわかりました。60代の男性は感染経路がわからないため、市中感染の可能性が指摘されています。

独自の遺伝子解析で、変異種が見つかったケースもあります。慶応大学のゲノム解析によって日本で確認されているウイルスとは異なる系統のウイルスが確認されたといいます。全国13カ所の病院から集められた新型コロナの遺伝子を調べたところ、アメリカ西海岸で流行している『20C』という系統の変異種が見つかりました。『20C』系統の変異種が見つかったのは去年の11月、関東地方の病院からでした。変異種の特徴から、国内で変異したものではなく、国外から入ってきた可能性が高いといいます。
慶応大学医学部臨床遺伝学センター・小崎健次郎教授:「感染力が強いとか、毒力が強いという証拠はないので、そういう意味では特段の心配をする必要はないと思っている。イギリス株や南アフリカ株のような変化はないので、日本の国で、どんどん暴れ出す心配は、今のところしなくていいのではないか」

世界中から変異種の情報が送られるサイトを見ますと、新型コロナは枝分かれしながら、無数の変異種を生み出していることがわかります。変異の回数は、1カ月に1~2回、つまり、1カ月に1~2個の変異種が生まれている計算となります。イギリスで免疫学を研究する小野昌弘准教授は、1年前に見つかった状態のときよりも変化を遂げていると指摘します。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの小野昌弘准教授:「色んな変異が入って、さらに、それがまた変異を蓄積して、さらに形質を変えていくということを懸念していかなければならない。一番の懸念は、ブラジル株、南アフリカ株が、特にいったん免疫が成立しても、また再感染する可能性があるのではないかというところが、一番新しいところで懸念されている」
小野准教授によると、イギリスの変異種に対しては、ワクチンがこれまで通りに効くといいます。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの小野昌弘准教授:「南アフリカとブラジルの変異株については、イギリスのものよりも、今、出来上がっているワクチンをすり抜ける可能性がより高い。
[テレ朝news]